ヒトを好きになるということ

近日話題になっている東出昌大さんと唐田えりかさんの不倫疑惑。
テレビでもネットでも、まるで高校生活最後の前夜祭のごとく各所であーだこーだと盛り上がっておりますが、実際そんなに大騒ぎすることなのでしょうか。
あることないこと言われて犯罪者のように吊し上げられる。人格を否定されてもしょうがない、と思えるほどのことをしてしまったのでしょうか。

「結婚」に携わるひとりの人として、思ったことを綴ってみようと思います。

この記事では不倫騒動の詳細に関しては触れません。間違いがあってはいけませんので。
ご存じない方は一度お調べ頂いたのちに、戻ってきていただけますと幸いです。
なお、これはわたし個人の見解です。賛否両論あって当たり前だと思いますが、厳しいご指摘はご遠慮いただけますようお願いいたします。

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小学生の頃、双子の弟を好きになったことがあります。
彼もわたしのことを気に入ってくれていて、放課後は毎日のように遊んでいました。おてんばだったわたしは男の子たちの中に混ざり、鬼ごっこや木登り・ボール遊びなど屋外で過ごす時間が長かったと記憶しています。
ある日、いつも通り放課後にみんなで小学校の校庭に集まり鬼ごっこをしていました。鬼は彼。
勢いよく追いかけてきた彼に、持久力のなかったわたしはすぐに追いつかれタッチ。思いっきり突き飛ばされて、その場で転んでしまいました。
今思えば全速力で走ってきたため、失速しきれずに突進してしまったんでしょう。ただ、当時のわたしはそんなこと理解もできずに、「大好きな彼に突き飛ばされた」という事実に大きくショックを受けました。

「やっぱり(彼)嫌い。どっか行っちゃえ。(双子の兄)の方が優しいもん。」

最低な発言ですよね。
他の人と比較し、その挙句嫌い。どっか行け。ですからね(笑)
つぶやきにもならないくらいの声量で漏れてしまった言葉たちは、勢い任せに飛んでいき、思いっきり彼に突進していったことでしょう。鬼ごっこ中の彼よりも何十倍ものパワーで。

普段はマシンガンのごとく、家を出発した瞬間から帰宅する瞬間までを事細かにまるで小説を読んでいるかのようにそれぞれのセリフ付きで母へ報告していたわたしも、この日ばかりは口数も少なくかなり落ち込んでいました。
彼のかなしそうな切なそうな、なんとも表現できないような表情は今でもはっきりと覚えています。

そんなわたしを気にかけてくれて色々と声をかけてくれる母ですが、わたしは曖昧な返事のみ。よほど気になったんでしょうね。
数日後、立ち会っていた友達から事情を聞いた母は、わたしに優しく教えてくれました。

「あのね、人を好きになるってとってもステキなことなんだよ。だって好きになれるってことはその人のいいところ、尊敬できるところを見つけられたってことだから。人の悪いところは目につきやすいから、たくさん見つけることができる。でも、その中でこの人のここがいいなって感じれたってことは凄いんだよ。自分の気持ちに嘘はついちゃダメ。せっかくステキなことをしたのに、封印しちゃったら心がかわいそう。」

人を好きになることは恥ずかしいことじゃないんだ。気持ちに嘘をついたら心がかわいそう。
幼心にすごく響いたことを今でも覚えています。
(それ以降、わたしは母に恋バナをすることに抵抗がなくなりました)

人に限らず、「スキ」という感情に正直に生きていけるようになったのはあの時の母の言葉のおかげです。

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今回の唐田さんの行動は確かに許されることではないと思います。
東出さんは既婚者で、こどももいる。不倫が始まったタイミングではお腹の中に第三者がいた、という報道もありました。
わたしが杏さんの立場だったら身体中の水分がなくなるまで泣いて泣いて泣き続けるでしょう。怒る気力もなくなるほど泣くと思います。
こどもの立場だったらただ一言「最低」とだけ言い放ち、誰よりも軽蔑したことでしょう。ひたすらに怒り狂う気がします。(本気で怒ると近寄るなオーラを発し、無言になるタイプです)

もちろん東出さんは大人として、夫として、父として、自分の気持ちをきちんと整理できていれば、こんな大事にはならなかったのかもしれません。
そうするべきだったと思います。

ただ、先程の母の言葉を借りるのであれば「人を好きになることはステキなこと」です。
彼らは本当に悪いことをしたのでしょうか。会ったこともない人たちから誹謗中傷を受け、あることないこと言いふらされ、人格を否定されるようなことを書き込まれ。ただ、誰かのいいところを見つけただけなのに。

許す・許さないや「~すべき」なんて言葉、わたしたちに使う権利があるのでしょうか。
不倫=いけないこと、という一般論を振りかざして、会ったこともない人を傷つけていいのでしょうか。

今回怒っていいのは杏さんと、東出さん唐田さんのご家族のみなんじゃないかなぁ~とわたしは思います。
もちろん褒められるようなことをしたわけではありません。現状としっかり向き合ってほしいです。杏さんたちの心の傷をしっかりと理解し、誠心誠意尽くしていかなければならないと思っています。
ただ、それを求めるのはわたしたち外野ではないのです。

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わたしたちが騒ぐことではないと言いつつ、いっこだけ気に入らない点を書かせてください。攻撃するつもりはありません。ただただ腑に落ちないっていうそれだけのことなんですが、この際なので聞いてください。(笑)

それは、「隠していた」ということ。
家に帰れば奥さんとかわいい子どもたちが待っている安定的な環境とは他に、ドキドキを求め甘い蜜を吸える環境をコソコソとつくっているという根性が気にくわないのです。
会いたいなら「会ってくる」でいいじゃない。好きになったなら「好きになった」でいいじゃない。悪いことではない。
きちんと伝えたうえで、今後をどうしていくのか話を進めていく。それは夫婦間の問題で世間体や一般論は不要です。お互いがどうしたいか、どうしてほしいか、が大切だと思います。

誤解を招くといけないので、お伝えしておきますが決して不倫に賛成しているわけではありません。
自分の気持ちに嘘をつかずに、きちんと伝えるべきだと言いたいのです。
それで関係が終わってしまうならそれまでだと思いますし、むしろその覚悟もないなら初めから手を出すんじゃない!!!!!ってことが伝えたいのです。

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「娘さんを大切にします」「俺が守ります」と約束を交わし、大事に大事に育ててくれた親御さまから受け継いだ、命のバトン。軽はずみな一時の感情で落とすなんてもったいないです。
結婚式は「感謝の気持ちを伝える場」であると同時に、「共に生きていくことを誓約する場」でもあります。

誓約とは「必ず守ると約束すること」を指します。
大切な人たちの前で誓約した内容は、その人たちを裏切らないためにもなにがあっても必ず守らなければなりません。
必ず守れるという自信があるから「はい、誓います」と答えるのです。

言わされているのではなく、自分の意志で誓ってほしい。そして、必ず守ってほしい。
結婚に携わるひとりの人として、そう強く願います。
一日でも早く、杏さんご家族が心の底から笑える日が訪れますように。お祈り申し上げます。

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